本を読む意味、生きていく意味。
読んだ本からその都度、
フィードバックしなきゃ気が済まなかった時期がある。
「ここは学ぶポイントだ、今すぐ実行しよう」
「これを知ることができた! よかった!」
「この本はじぶんのやっていることを裏付けてくれる。オレはただしい。間違ってない!」
「この本もオレの言うことと同じことを書いてる!」
そんなことを延々と手帳に記したり、人に話したり、昔のブログに書いていた。
しかし、最近あらためて思う。
そういうのって、本当は身についていないんじゃないかと。
「学んだことにしたい」じぶんがそこにいるだけじゃないかと。
あるいは、読んだオレが偉いと言いたいじぶんがそこにいるんじゃないかと。
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そもそも、読んだ本にすぐさま、学びがあるだろうか。
むしろ、いい本というのは、読んだ瞬間にはむつかしくて響かなくて
ある日ふと、花壇の花を見ているときに、こころにすっと入ってくるものじゃないかと。
そう、本を読むだけで成長できるほど、人も世の中も単純ではない。
むしろ、「本を読み続ける」という行為、そこにきっと意味がある。
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よく「学校の勉強なんて大人になっても役に立たない」という声がある。
ある意味では当たっていると思う。
数学の数式も、物理の理論も、古文の言い回しも、
実生活ではほとんど使うことはないだろう。
けれど、学校の教育というのは「難しいことに取り組んで、なんとか理解する」
そんな「訓練」じゃないかと思う。
そういう見方はどうだろうか。
じっさいのところ、学校よりも
社会に出て空の方が勉強すべきことが多い。
人の命に係わる交通法規。
財産に関する重要な知識。
仕事を左右する専門知識。
子どもたちを導いていく意識。
いろんな人とつながって生きる、常識。
人を見送っていくための心構え。
これらのベースは「学ぶ」ことにあると思う。
つまり、学校で「数学」や「物理」や「古文」を学ぶのは
将来、もっと興味のない重い事項も学べるカラダになるよう
免疫をつけている段階だと思うと、すっきりしないだろうか。
周りを見渡してみると
学ぶことに慣れた人は、どの分野もすぐにコツをつかんでいく。
読むことに慣れた人は、読んだ本に一喜一憂しない。
・・・それに気づいたのです。
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「本」のすべてがいい本ではない。
それは事実だ。
読んだ本を流すかどうかの判断力を身につけることも、
たぶん、大事なスキルなんだと思う。
速読とかより、変な本を選ばないことが
じつはもっとも大事。
これも、まずはたくさん読む段階がないと身につかない。
そのためには「どの本にも学んだ」と思うのは危険。
「この本を買ったのは失敗だった」という痛みも
きちんと体に覚えさせるべきだと思う。
だから、「本を読んだこと=学んだ」とか、そういうことは、そっと置いて行こう。
ムダになった本もあるけど、読んだ時間と経験はムダじゃないんだ。
食事と同じで、身につくものもあるし、そうでないものもあるのだろう。
食べたもので太らないカラダになるように、
読んだものから、きちんと学べるカラダになるように、
ぼくらは訓練して生きていくのだと、思う。
どうですか、行動=学びという強迫観念に追われていませんか。
それにかかると、行動数=学びになってしまいます。
感度を上げて、少ないインプットであっても響く学びを吸収していきたいですね!
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