石の生きもの語り~広島県の動物供養碑
生きものを 思うこころが 刻まれる
広島市安佐動物公園・元園長が訪ね歩いた
広島県内145ヵ所「生きもの」の石碑たち。
しおまち書房より、出版・販売させていただく書籍をご紹介します。
動物園園長など、長年生きものに関わる仕事をしてき大丸秀士さんが、
ライフワークとして、調査・研究・取材してきた広島県内145ヵ所を超える
「動物に関する石碑」のガイドブックです。
「命の大切さ」を考える時、もっとも身近な存在は、動物や魚介類などが挙げられます。日本では、動物や魚介類、時には植物や道具類までを「命」として大切にし、その「死」を祀るという文化があり、それは日本特有の習慣でもあるそうです。
この書籍は、そんな広島県内にある「生きもの」の石碑情報を網羅した研究書です。掲載された石碑は公園や港、神社など、いずれも生活に根付いた場所にあり、たくさんの人々が「生きもの」のことを想って建立したものです。それらを訪ねることで、地元の歴史を振り返りながら、お子さんといっしょに「命の大切さ」に触れ・考えるきっかけにもなることでしょう。今までにない、ユニークな「地元再発見」「命を考える」一冊です。
書籍概要
広島の名物、牡蠣の供養碑や、筆に関する石碑、
馬・牛・魚・鳥・ペット・伝説の動物・お花・道具・・・
「こんなのまであるの?」とびっくり。 生きものを想う石碑を満載!
●収録内容
<網羅された取材物件のジャンルと内容>
埋め立てと魚貝類 魚海藻類慰霊碑/魚貝類供養塔/魚塚
魚 魚魂碑/華蔵界/魚牡蠣碑/弔鯨碑/貝塚
生活道具 筆塚/包丁塚
戦争 軍馬之碑/馬魂碑/馬碑/観光之碑/忠犬墓
ペット いつくしみ/愛犬達之碑/動物慰霊/ありがとう
動物園・競馬 供養碑/馬頭観音
医用・教育用動物 実験動物慰霊碑/底栗車之塔/牝牛生体解剖供養塔
狩猟鳥獣と猟犬・鵜・アビ 鳥獣慰霊碑/熊地蔵/狼塚/鵜塚/アビの墓
伝説の動物 犬塚大明神/為供養鶴/蛇王池大蛇靈發菩薩心妙塔
華 花供養/華魂碑/花の精
馬頭観音・大仙さん 為牛馬安全/牛地蔵/馬観音/大仙神/為先立牛馬
農業・畜産 畜魂碑/牛魂碑/霊牛豊萬號之碑/鶏魂碑
広島牡蠣をはじめとする、魚介類に関する供養碑
広島名産の「筆」など、道具類に関する供養碑もある
戦争にまつわる動物の供養碑についても調査
広島県の山間部に分布する交通安全などを願った「馬頭観音」の研究調査
編集者より
「感謝の心」が石碑となってあちこちに残っている。
人が持つやさしさが残っているのだと思う。
右の写真は、広島城の内堀のほとりに立つ美しい彫刻。花と鶴を手にした少女たちを模した「花の精」という作品です。広島を代表する、よく知られた景色ともいえます。観光ガイドブックなどで見かけた方も多いのではないでしょうか。この彫刻の作者は広島県出身の彫刻家、円鍔勝三。しかし、この彫刻が何のために建てられたかについては、深く考えたことがありませんでした。広島という土地には「平和」を祈る彫刻が無数にあるため、その一つだろうと思っていました。
しかし、大丸さんにお会いし、本書の原稿を拝見したとき、この像が、花に関する業界(花卉販売等)が寄付したものであり、今でも毎年、花を愛する人々が集まり供養祭を開催していると知り、とても驚きました。しかし、驚くと同時に、それが「花に対する感謝」から生まれているということに気づき、素敵なことだと感じたのも事実です。
「花の精」について解説した、本書の花に関する供養碑のページ
そう、日本はさまざまな動植物への感謝を示す国です。生きものを「残さずに食べてあげる」ことが供養だと小さいころから教わります。港や公園で、魚介類や動物を祀った石碑を目にすることもあるでしょう。それらはすべて、私たちの先人が、「感謝の気持ち」を何かに残そうと建てたものばかりなのです。つまり、生きものの供養碑は、生きもの(時には植物や道具までも)を大事に思い、感謝するやさしさが形になったものなのでしょう。
長い間、動物に関するお仕事をされてきた大丸さんが、コツコツと調査された、広島県の生きものに関する石碑を網羅したこの本。それを制作させていただくのは、驚きの連続でした。そしてまた、郷土にはまだまだ知られていないことがあるのだという発見でもありました。この本を通して、命の大切さや感謝する心を考えるきっかけになってほしいと思います。
編集者 久保浩志(しおまち書房)
著者あとがきより(一部抜粋)
いまでは文明が発達し分業化や都市化が進んで動物の死を間近に感じる機会は少なくなっている。現代では慰霊祭や供養祭がイベントと化して、当事者以外は動物の死をとくに意識しないのも不思議な現象である。
広島県の供養碑をまとめる中でできれば現在、人と動物の間で問題になっている事項について概略ふれたいと考えた。肉食、ペット飼育やアニマルロスト、死生観、アニミズム、動物の飼育、昆虫採集、動物愛護などなど様々な問題が動物との交流のなかで問題となっている。動物の供養碑を通して多少なりともこうした問題に関心をいただけたら幸いである。
大丸秀士(広島市安佐動物公園元園長・広島市こんちゅう館元館長)
NEWS
- NHK広島の番組「広島れがしぃ」2018年3月29日放送にて、著者の大丸秀士さんが石碑ハンターとして出演され「石の生きもの語り」も画面に登場しました。
- 「中國新聞」2017年9月27日朝刊「広場」面の著者へのインタビューの中で「石の生きもの語り」について報道されました。
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ご理解のほど、お願い申し上げます。
2017年9月発行
オールカラー A4サイズ
発行者・著者/大丸秀士
編集/久保浩志
制作・発行/しおまち書房
ページ数/152ページ
販売価格/1,500円(税別)※税込定価1,650円
ISBN978-4-906985-12-8 c0095
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