よい文章よりも、自分が感じたものを書きたい
もうずいぶんと前、求人広告をつくる会社で
広告コンテストの審査をしたことがあります。
さまざまにデザインやビジュアルに凝った作品が並ぶなかで、
選考の一つに残った求人広告は小さな会社の文字だけの広告。
広告コピーの言い回しは忘れましたが、その職場の暖かさを
とても優しいコピーで表現していました。
なぜそこまで心を打ったのだろう。不思議に思って
応募したデザイナーのコメントを読むと、
「知人の会社だったので、実際に職場を見た時の印象でつくりました」。
そうだったのか・・・。
その当時(いや現在も多くの媒体広告がそうだと思いますが)求人広告の制作は、
効率をアップするために、
営業担当の指示をもとにデザイナーが制作するルール。
そのため、デザイナー自身が現地を見ることは少なかったのです。
ものづくりには、アイデアやセンスも重要。
でも、現地を見たことほど強いものはない。
効率という波の中、分業を推し進めていた自分にとって、
その印象は強く残りました。
その教訓がずっと心に残っていて、
数年後に担当した別の媒体では、
デザインとコピーライティングを切り離し、現地を見た担当がコピーを書いて、
デザイナーがそれを形にする方式をとりました。
決してその担当が文章的に優れていたわけではないけれど(ごめん)
素直に見たものが書ける良さがあるので、担当をしてもらいました。
この方法、批判もあったけれど、お客様には「よかった」と
何度も言っていただきました。
この時も、「テクニックやセンスよりも、現地主義」と強く感じました。
いまぼくは、ホームページをつくる仕事をメインにしています。
時間がなくとも、また制限があってすべては不可能だとしても
なるべく現地を自分で見て、自分の言葉でコピーを書いています。
工場を見学したり、店舗を見にいったり、品物を味わったり。
時には、何も拝見できないケースもありますが、それでも
現地に近い場所に足を運び、感じるものから言葉を抽出します。
たったひとことでも浮かんでくれば、それでも「見ていない」のとは差があります。
お客さまから「文章をもらってつくる」傾向もある、この業界で、
手間だし割高ではあるけれど、現地を拝見させていただいています。
この「自分が感じたものを書く」を今後も大切にしたいと思っています。
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