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【コラム】本当の「社風」は現場に訊け!

昔、求人情報誌の編集をしていた経験があるので、
今でも、就職向けパンフレットや、ホームページ向けに
企業のスタッフ・インタビューを依頼いただくことがあります。

多くは、新卒や中途採用向けの「先輩社員」インタビューという形ですが
今年も、何件か担当させていただきました。

目に見えない「美学」がそこにある
この仕事、じつは結構好きなのです。
面白いのです。
時にはまったく想いを言葉にできない方もいたりするし
照れてしまって少しも話さない方もいることもあるけれど
多くの方が案外マジメに答えてくれます。

何が「面白い」のかというと、
どんな規模や業種の職場であれ、
そこで働いている人たちには
その職場ならではの「美学」があるのです。

職場や、グループのディスカッションでは、
「俺、やる気ないっすよ」という態度をされている方でも
いざ、一対一になってお話を聞くと「なるほど」という美学が見えてきます。

たとえば取材を依頼くださった経営者の方が
「うちの会社には取り柄もないし、いいところなんかないよ」と
言われているとしても、
実際に社員の方にお聞きすれば
見えない「美学」が一人ひとりの心に潜んでいるんです。


会社や職場によって「見えない美学」がある

どんな「美学」かは、本当にその会社によって違っていて、
まあ、例を挙げるなら
「楽しいから」とか「みんなが一緒に考えてくれるから」とか
「先輩や上司が尊敬できるから」という環境に由来するもの。

「きちんとしないと気がすまない」とか「信頼されているから」という責任感型。

あるいは「この仕事が好き」「モノをつくりたい」というタイプも少なくない。

そして、この傾向は、その職場ごとに伝染するのではないかと思うんです。
なぜかというと、
頑張っている方は、同じ職場では同じ理由を図らずも口にするんです。
おそらく、これが目に見えない「社風」じゃないかと思います。

逆に、多くの社員が「信頼系」の理由を話している時に
違う傾向の答えをする人がいると、
場合によっては「この方は続かないかも・・」ということを
気づいてしまい、実際に数か月後に当たることもあります。

ぼく自身も十数年間、採用担当として面接もしていた人間なので
なんとなく、そのあたりの空気違いを気づいてしまうんでしょう。

他社との差別化の答えは現場にある
まあ、採用担当の目から見た場合の話は、それを書くだけでも
いろいろとノウハウがあるので、今回は置いておいて、
「見えない美学」の話に戻りますと
多くの社内の方には、それが当たり前すぎて気づかないんですね。

で、気づかないまま、会社案内パンフレットとか、ホームページをつくると
本当の会社の良さが出ていない、どこにでもあるような「伝わらない」内容に
なってしまうんですね。

「弊社は風通しのよい会社です」
「社員のやる気を応援します」
・・・という、どこでも見かける表現って「またか」と思いませんか?

「風通しが良い」という表現をもっと掘り下げる
以前取材させていただいた、ある会社さんは、
何となく「風通しはよさそう」とは思ったのですが、
お話しを聞いていると、もっと元になる要素を感じました。
たしか5~6人、さまざまな職種の方のお話しを聞いて
だんだんと実感しました。

それは「気にかけて、声をかける」社風があるということです。
違う部署のパートさん、上司から部下、部下から上司、
新人さん、納入業者さん、それぞれに
不安やとまどいがないか「ひと声」をかけるムードがあるんですね。

たとえば新人の時に「ひと声」かけてもらったから
「私は後輩にも声をかけています」という言葉が出てくるんですね。
それに気づいて、「社風」としてコピーを書かせていただきました。

採用活動はもちろん、企業のブランディングにも活用できます
横並びで「将来性のある職場です」と書けばよい時代はもう終わっていて
企業の本当の「強み」や「弱み」を表現すべき時代になっています。
経営者の想いをしっかりと聞いて「コトバ」や「社風」として
表現することも大事ですが、
このように「働いている社員の方の声」から「社風」を抽出するってことも
「取材」によって可能になります。

つまり、この社員インタビュー。
単に求職者向けの記事としてだけでなく
企業の「ブランディング」を考える材料としても
重要ではないかと最近思います。

もっと具体的な「社風」をアピールしたい。
採用をもっとマッチングさせたい・・という
企業担当の方がおられましたら、
ぜひご相談いただければ幸いです。

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