【コラム】思い出の詰まった小さなかわいい本

今週、一冊の本をご納品しました。
その本は、ご家族やご親戚に配布するという少量印刷の本。

すでに故人となったお祖母様が、晩年に手習いで描きためた絵手紙を
一冊の本としてまとめたもの。
ご親族からの依頼で編集・制作をお手伝いしました。

お預かりした絵手紙を、一枚一枚スキャンしながら拝見。
ハガキ、和紙、包装紙やチラシ、カレンダーの裏側など
使われているさまざまな紙には、シワや汚れもありました。

けれど、そこに日々のお祖母様の暮らしの息遣いを感じ、
生きているという温かみを感じることしきりでした。

だから、紙のそれぞれの質感をあまり消しすぎず
本に「記録」として残すよう、誌面をつくっていきました。
「温かみ」や「息づかい」が残るように。

季節、季語、歳時記、食べ物の旬などを意識しながら
ページの順番を構成し、60ページの絵手紙集を紡ぐ作業は
どこか小さな旅のようでもあり、お祖母様との共同作業のような気持ちでもありました。

お祖母様が大事にされていた言葉も、合間のページに挿入。
また、本は４ページ単位でつくられるから、
少し余ったページには、ご家族の記念写真や言葉もご提案して追加しました。

販売する本ではないし、一般公表する本でもないけれど、
「心」や「想い」がたくさん詰まった本を
お手伝いできたことは、とても感慨深いお仕事でした。

そんな小さな本づくりを
これからもお手伝いしていきたいと思います。

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