しおまち書房は、広島で編集ディレクション・文章作成を行う小さな制作事務所です。
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11/10より、リトルプレス詩集「まんなかとうしろとまえ」を発売開始します。

くぼです。
「しおまち書房」として3冊目となるリトルプレス、
詩集「まんなかと うしろと まえ」を販売開始します。
詩集はやってみたい分野の一つでした。

実店舗「古本交差点」(広島市中区大手町)は、明日11月10日より、
そしてネットショップ「しおまち書房ネット販売部」では、
ただいま(11/9)より発売を開始します。

販売が可能な部数も少数ではありますが
内容的には、とても思い出深い作品となりました。

詳しくは、下記の説明をごらんください。

※「古本交差点」は、11/11(月)~12(火)がお休みとなっていますので、ご注意ください。

詩集「まんなかと うしろと まえ」説明


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編集者より

詩集 まんなかと うしろと まえ

「しおまち書房」として送り出す、3冊目の書籍(電子書籍を除く)をご紹介します。

今回の書籍(リトルプレス)は、「詩集」。
題して「まんなかと うしろと まえ」です。

著者の方が何年も書き溜めてきた、詩とコトバが書かれた、たくさんの手帳を預かって持ち帰った夜。その手帳の海には無数の「言葉」が泳いでいるように見えました。そしてぼくは、それらがまるで海を泳ぐ小さな魚たちの群れのように見えたのです。

ぼくの頭上に青く広がる、深くそしてとても広い「りんごゆき」さんのコトバの海。まっすぐに広い海を進んでいく魚もいれば、ひたむきな愛をくるくると泳ぎながら表現する魚も、迷いの海で波にもまれている魚もいる。小さな命を守る魚も、仲間を助けることでじぶんも救われている魚もいました。

300匹あまりの魚を見上げながら、ぼくはゆっくりと62匹を選び出し、瓶に詰める。この詩集の編集過程は、まさにそんな雰囲気で、生まれたのです。

詩集 まんなかと うしろと まえ


どんな「作品」と呼ばれるものもそうであるように、本来はじぶんのために書かれたものがほとんどです。しかし、それを世に出す場合には、「読み手の作品」にならなければならないと思います。

手に取った方、読んだ方にとって「ああ、これは自分の気持ちとおんなじだ」「うまく言葉にできなかったことが書いてある」と思っていただけることが、作品の持つ、あるいは作品をつくる最大の使命だと、ぼくは思います。また、「あなたのブログが自動的に本になります」とか「インタ―ネットでアップロードすると印刷して出版します」という「素通り編集」に背を向けて、「しおまち書房」として、この仕事を手がけているからには、読み手に響くものに「編集者として」意地でもしなければならないという使命もあります。
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約1ヵ月ほど、悩みながら「魚たち」と向かい合う日々がありました。これは正直難しい仕事でもありました。特に、詩集となれば、短い言葉だけの直球勝負。ビジュアルでお茶を濁すことはできません。読み手にとって響く言葉を選び、生み手の持ち味を残しながらいかに伝え、そして調整するか。その作業の重さに、悩む日もありました。

結果として62編の詞を選び、2つの章に分け、それぞれの章に、こころの流れや揺れ動きが表現されるように編集していきました。パッション感が強い言葉と、恋愛を描いたプリミティブな詞が心を揺さぶる、躍動感のある前半「まんなかと うしろと まえ」。そして後半は、「生」や「死」そして「愛情」を描いた詩が癒してくれる「お空の大事なひとよ」。前の詞が次の詩に影響するように並べた箇所も何か所かあります。
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また、詩集なのにビジュアル的な要素を取り入れた作品も一部あります。
これはぼくが今まで、いくつかの詩集を読んでいて、どうしても途中で飽きてしまうことがあったから。
アクセントとなるデザインを施した「詩」や「言葉」を散りばめてみました。

じつは著者の「りんごゆき」さんは、医療関係のお仕事をされていらっしゃいます。
だから、よく読んでいくと、「死」や「病気」に関する詩もいくつか含まれており、これらがとても響いてくるのです。たとえば、一例として後半の章「お空の大事なひとよ」の表題作を紹介します。

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「お空の大事なひとよ」

お空の大事なひとよ
わたしはあなたたちが
光を灯してくれてるこの世を
大事に生きるよ

命いっぱい愛して
わたしに見せてくれたお礼は
わたしが命をいっぱい愛すことだと
思うからね

こんな気持ちにさせてもらえたのは
死をわたしに見せてくれて
命をあずけてくれたからだと思う

だから
あなたたちの死は
尊い贈り物なんです

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その一方で、こんな元気をくれる詩もあります。

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「ついてくる自分」

ついてくる自分と
ついてこない自分
どっちも大事

その日によって
ついてこない自分が
ついてくる自分を
見てる
いろいろね

こんな時こそ
パワーの出しかたを
覚えるね

ついてこない自分
今は…
そこで休憩していいよ

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このように、小さいけれど、心を込めた「詩集」ができあがりました。
アナログの本として、手触りなども可能な範囲でこだわりました。

結果としてあまり部数がつくれなかったのですが、この魚たちが広い海を渡って、たくさんの方々のこころに響いたり、心の支えになるとしたら、それは著者にとっても、編集者のぼくにとっても最大の喜びになることでしょう。

広島から生まれた、この小さな一冊。どうぞ、よろしくお願いいたします。

編集者 久保浩志(しおまち書房)

著者プロフィール

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りんご ゆき
・広島生まれ
・血液型 O型
・誕生日 バレンタインデー
・幼少の頃から「言葉遊び」が好き。出会った人からは、必ず「不思議な人」「独特」「今まで出会った事のない人」と言われる

書籍概要

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詩集 まんなかと うしろと まえ
著者:りんご ゆき 
編集:久保浩志(しおまち書房)
デザイン・装丁:石橋由香(Designぽんでぴえーる)
文庫判 全72 ページ  
2013 年11 月発行
定価600 円+税 発行:しおまち書房  
ISBN978-4-906985-02-9 C0092
※限定数量印刷のリトルプレスです。

販売店情報

当初の販売は、以下の2か所です。
※2013年11月10日(日) 一般発売開始です。

■実店舗
「古本交差点」内「古本オーロラ」 しおまち書房コーナー内

〒730-0051 広島県広島市中区大手町3-8-3 今井ビル2F
◆定休日:火曜日
◆営業時間:12:00~20:00 
地図と写真オーロラ


※古本交差点の詳細はこちら
kosaten_access

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「しおまち書房」ネット販売部

http://shiomachi.shop-pro.jp/

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