しおまち書房は、広島で編集ディレクション・文章作成を行う小さな制作事務所です。
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【ひろしまスケッチブックができるまで】その2・・埋もれたもの、消えたもの

竹田さんと知り合ったのはいつだろう?
たぶん3年ぐらい前の年末、それはTwitter上でのことだったと思います。

彼のアカウント「funairisanpo」が広島市中区舟入方面で配布される
フリーペーパー「舟入散歩」を意味するということも知りました。
「読んでみたいです」とつぶやいた、ぼくの一言に
竹田さんは、会社までバックナンバーを持参してくれました。

地元の史跡やお店を取材した、その掌に乗る小さな一冊は
とてもクリエイティブなものだと感じました。
また、ぼく自身が以前に地元の住宅誌内の4ページ程度の連載記事で
広島の街を順番に取材していた経験があり
「広島には埋もれたもの、消えたものがたくさんある」という
共通の視点をそこで確認したものでした。

時間が経ち、フリーペーパー「舟入散歩」は休刊となり
竹田さんも退職されたと聞きました。
また一つ、消えゆくものが増えた・・・とふと思ったものです。

しかし、その出会いがきっかけで、
「ひろしまスケッチブック」を一緒につくることになったのは
なにか「消えゆくものたち」の見えない力が動いたのかもしれません。

竹田さんがダンボールの切れ端に描いた、100点近くある作品群。
これをどうカテゴライズするかは相当悩みました。

Facebookに作業用のFBページをつくり、そこにすべての絵画や写真を
竹田さんに登録していただき、エリア分けの試行錯誤が続きます。

「消えたもの」「消えゆくもの」「繋いでいくもの」というカテゴライズが
最初は有効だと感じていましたが、いざ作品を当てはめていくと
「消えたもの」「消えゆくもの」が多いため
バランスがとれないと断念しました。

結果として、「春」「夏」「秋」「冬」という章立てを思いつき、
それにより「流れ」と「ストーリー感」が生まれる構成ができたのではないかと思います。

さて、言葉ばかりでは面白くないので、いくつか作品をピックアップしてみましょう。

下記に投稿する写真は、ラフ段階で検討していた時の画像で
実際には、ぼくの旧知のカメラマンである青野さんがすべて撮り直してくれました。
作成中の荒削りな感じを、完成系と見比べていただくと、面白いかもしれません。

可部線


廃線となり、封鎖されたJR可部線(可部より北の路線)。三段峡に遠足に行った思い出をお持ちの方も多いと思います。

京橋会館


昨年で取り壊された昭和モダンな集合住宅「京橋会館」。公開日に足を運んだ日のことを竹田さんは述懐されています。

江波巻


これは消えゆくものではなくて、復活しつつある郷土料理「江波巻き」。漁師食として江波方面で伝わる家庭の味。広島の飲食店に広まって欲しいなぁとぼくらは思っています。



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